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犯罪って何?

犯罪犯罪
(2011/06/11)
フェルディナント・フォン・シーラッハ

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ラジオで絶賛されており購入。

現役弁護士による様々な犯罪をテーマにした短編集。

ドイツで文学賞を席巻したというだけあって一篇一篇は短いが中身の濃いものばかり。

犯罪とは法律を犯して罪となり刑を科せられるもの。

法律があるから犯罪がある。
人を殺したら犯罪。
まぎれもなく。

でもそこにはそこに至る様々な背景や理由、生い立ち、偶発性が重なる。

犯罪で裁かれるのは殺した人。
でもほんとにそれでいいのか?
そんなことを考えさせられる。

昔はもっと単純だった。
社会が固定化されて身分があって宗教があって。
価値観が固定されているから罪も明白。
周りがみても誰が悪いのかがはっきりしてた。
罪を犯したほうだって多分わかってた。

それがこの現代、価値観が定まらない。
宗教が入り混じって、希薄化したり、原理主義に触れたり。
どこにも移民が入ってきて絡み合う。
民主主義なんていって自己責任とか自由とかで貧困がはびこる。
身分なんてないはずなのに歴然とした格差の固定化。
人権とかいってハンディキャップドや精神疾患者を無理やり融合させる。

そんなとこから犯罪が生まれる。
法律ではわりきれない、裁ききれない。
でも裁く。法律だから。

そんな理不尽な割り切れない犯罪の数々を描き出しています。

私が気に入ったのは「サマータイム」という短編。

女子大生がホテルで殺された。

容疑者はパレスチナ難民で元麻薬売人の彼氏か
実業界でやり手で通る大社長か?

単なる交際の乱れの殺人にドイツの社会背景の矛盾がからむ。
結末は理不尽。
それでいてなにか嫌な気がしない不思議な小説です。


以上













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経済小説で読む原子力村

マグマ (朝日文庫)マグマ (朝日文庫)
(2008/03/07)
真山 仁

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これも一種の原発本。

主人公はアメリカの投資会社につとめる。
地熱発電会社を再建するのが任務。
もう一人は元原子力科学者。
かつての推進リーダーは反原発にまわった。

火山国日本。
地熱を利用できればこれほどグリーンな発電はない。

でもこれが進まない。
原子力利権が絡むからです。

地震後の今でこそやっと電力会社を取り巻く原発諸問題がクローズアップされてますが
知ってる人は知ってたわけですこの構造。

小説の形でからくりを教えてくれます。

まずは発電コスト。
一番安いのが原発ということになってますがこれが嘘っぱちだと。

放射性廃棄物の処理費用が含まれていない。
どんどん出てきて何百年もかけて処理するのにそんなのあり?

発電所の稼働率が水増しされたり、
補助金が多く使われて費用との境があいまいになってる。

原発が事故を起して停止すると、わざと節電キャンペーンをはり
原発の必要をマスコミを使って訴える。
「今の便利な社会は原発なしでは過ごせませんよ」って
脅しでもいいから停電させてしまえなんて暴論も。

今の事態も宣伝の意味もあるのでしょうか?

事故が起きても、構造的、技術的問題はスルーされ
作業員のミスとして片付けられてきたと。

事故が相次いでも政府や電力会社や原子力関連企業は問題解明をしないできたと。
利権に群がる政治家がこれをバックアップして問題を矮小化した。

神の火を手にして後戻りできない。

こんなことが重なって今の事態に至っているわけです。

地震後の今読むとリアリティをもって伝わってきます。

以上







空虚な現代を生きる 人生いろいろ

たまたま似たような設定の小説を三冊読みました。

似たようなってのは複数の主人公の目から同じ物語をみるってだけ。
設定はそれぞれ違っていて比較してみるとおもしろい。

一つ目はこれ
カシオペアの丘で
カシオペアの丘で 上 (講談社文庫)カシオペアの丘で 上 (講談社文庫)
(2010/04/15)
重松 清

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炭坑で栄えた町の幼なじみが
それぞれの人生を送り、現代に再会する。

60年代後半に生まれ、
日本が世界でのしてゆく怒濤のなかの大変化を
生き抜いて再会する。
みんなそれぞれの不幸や秘密をもって。

大時代を生きてきて、それぞれの過去を精算してゆく。


次は
厭世フレーバー
厭世フレーバー (文春文庫)厭世フレーバー (文春文庫)
(2008/08/05)
三羽 省吾

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現代社会で同じ家に住む家族のお話。

父親がリストラされて失踪。
母はショックでアル中。
その現実をそれぞれの家族の目から。

14歳 中学男子
17歳 高校女子
27歳 フリーター男子
42歳 母親
73歳 祖父

題名そのままにみんながこの理不尽な社会を
かったるそうに生きている。

外から見るとまっとうじゃない。
でもみんな真剣にぶつかっている。

アル中の母親が私の年に一番近い。
生きてきた時代がいっしょだから時代の雰囲気が理解できる。
アル中で人生捨てちゃってるようにみえるけど
これまでしょってきたものがあるんです。

それぞれに不幸があって絶望的だけど
なんか明るいトーンが流れてるのはなんでだろう。

一人ひとりの人生がラップしつつも
やはり亀の甲より年の功、年齢をへたほうが
人生も深いし悩みも深い。
でもそれぞれの人生のその時その時の苦悩を
全部乗り越えていまがある。

そんなバラバラみんなが父親は失踪したけど
いっしょにいる。

いっしょにいるのが救いなんだろうな。
この現代に。


最後に読んだのは
パレード
パレード (幻冬舎文庫)パレード (幻冬舎文庫)
(2004/04)
吉田 修一

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大都会の真ん中に同世代の
若い男女がいっしょにくらしている。
この5人そんなに縁が深いわけでも、
信頼しあってるわけでもない。
同じ境遇でもない。

でもなんとなくいっしょにいる。
干渉もしない。
詮索もしない。

みんな外れてる。
これが現代なんでしょう。
規範がない。
目標がない。
物語がない。

一番まともそう見えるのが狂ってる。
でも狂ってることに気づかない。

ほんとにバラバラなんだ。
現代ってのは。

カシオペアは共有する過去がある。
厭世フレーバーに帰属している家がある。

パレードでは空間に一緒にいるだけなんです。
たまたま。
ほかに何もない。

これが現代社会なの?

以上


ヘヴン 現実ってなんだろうか?

ヘヴンヘヴン
(2009/09/02)
川上 未映子

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ラジオでトークを聞いて以来気になっていた作家。
いたるところで絶賛されてます。

いじめがテーマのこの小説、
生きることの価値観がゆらぎます。

いじめられていじめられてでも何も出来ない。
苦しくても抜けられない。

でもなんでいじめられているの?

どうしていじめるの?

なぜ自分は戦わないのか?

なぜなら...

みんなそれぞれ理由がある。

でもそれってそう思っているだけ。

相手のことなんて結局なにもわかっていない。

自分のことだってホントはわかっていない。

でもわかっているつもりにして納得する。

大きな大きな苦しい苦しい悩みにはそれなりの理由がある..
はず...

人間はつくづく精神的な動物だと思います。
物理的現実なんてあったってないに等しい。
心が歩いて世界を作っているのです。

大きな物語がない現代、ひとは世界をこころのなかに閉じ込める。

そんな心に拘泥するのです。

読んでいてどうしようもない不条理を感じる。
でもなんか薄いぼやけた明かりも遠くにみえる。

考え出したらとまらない。

そんな小説でした。

以上









談合小説 日本は変わるか?

鉄の骨鉄の骨
(2009/10/08)
池井戸 潤

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談合小説。
政官財の三角形。

でもシリアスな社会派タッチではありません。
爽やかでピュアな4年目社員を主人公にすえて
ドロドロガチガチ社会を軽快に描く。
うまい!

さすが直木賞候補作。

私は鉄鋼業界にいますのでこんな世界をごく身近に見ておりますので
非常に興味をもって購入したのですが
果たしてゼネコン談合を扱った小説にどれほどの読者がつくのか
要らぬ心配をしてしまいます。

談合問題はむずかしい。

悪なのか?
必要悪なのか?
あるいは社会保障システムなのか?

擁護派はいいます。
安値入札で劣悪業者がはびこり安全がたもたれない。
競争を激化させ中小業者が路頭に迷う。

倫理的にはどうであれ法律違反なんですからいけません。
ただこのニッポンここからがややこしい。

法律では禁じられているのに皆が犯してることがたくさん。
しかもみんなが知っている。
談合、カルテル、政治家の金...。

でもある日突然糾弾される。
マスコミではとんでもない悪党扱いされてつるし上げられる。
みんな最初から知ってるのに。

そして誰かがスケープゴートになり
ちょっとたってほとぼりが冷めるとまたなんとなくはじまる。

これが戦後日本の安定社会では繰り返されてきた。
必要悪だなんていいわけのもとで。

でもこれも変わるんでしょうね。
ネットで世界がフラットになって日本の論理がつうじなくなる。

しかも政権が交代しました。
旧政権とどっぷりやってた建設業界は予算がつかずにボロボロ。
談合やるだけの案件もありません。

これは構造改革なのか?
時代の潮流なのか?

はたまた民主党に資金が還流するシステムができれば
再度同じことが繰り返されるのか?

要注目です。

談合ってのもやって利益が得られなければ機能しませんから
建設内需に閉塞感がある将来、きえゆく運命でしょう。

ただ別の業界でまたはじまるでしょう。
そうして変革後の社会の膠着がまた始まり活力が落ちてゆく。

この繰り返し。
長い歴史を大きな変革なしにやってきた日本の宿痾ですかねえ。

以上













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