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外人エグゼクティブの嘘

「伝わる英語」習得術 理系の巨匠に学ぶ (朝日新書)「伝わる英語」習得術 理系の巨匠に学ぶ (朝日新書)
(2009/08/07)
原賀 真紀子

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以前にご紹介したクォリティ・リーディングという本の著者は
ジャーナリストの本と口述筆記は読まないといい、私もなっとくしていました。

今日のご紹介はジャーナリストの書いた対談本。
著者は先日参加したセミナーの進行役をしていました。

本の題名に惹かれて読んでみました。
とくに「理系の巨匠に学ぶ」というのにビビッときました。
対談相手も魅力的。小柴昌俊さんに、海堂尊さんなどなど。

理科系ってのは伝えることがはっきりしてますから
外国語に訳すのがとくいな達人が多いのではと。

期待にそぐわぬ興味深い対談がてんこもりでした。
何事も極めたひとの話は奥が深い。

養老孟司さんは日本語は主観的だといいます。
しゃべりだすと自分がどうおもっているのかすぐわかっちゃうと。

それに引き換え英語はというと
客観的とくるかと思いきや
具体的だといいます。

主観的は日本語で自分の思いを隠すと官僚答弁のようになる。

英語では自分がどうおもうかなんて重視されずに
具体的な事実をいうことが必要になる。

すると自分に都合のいいことを英語で言う場合は
具体的にいうわけですから、「嘘」をいわなければならなくなるそうです。

これはなっとく。

確かに企業の不祥事なんかで会見しているのをみると
日本人の場合は
残念だとか、遺憾に思うだとか
白なのか黒なのかはっきりしない。

アメリカのエグゼクティブなんかが会見していると
堂々とはっきり物事をしゃべる。オレは白だと。
でもあとからそれが全部嘘だったりしますよね。

これは英語の言葉としての特性に由来するものだったとは。

以上







ヘヴン 現実ってなんだろうか?

ヘヴンヘヴン
(2009/09/02)
川上 未映子

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ラジオでトークを聞いて以来気になっていた作家。
いたるところで絶賛されてます。

いじめがテーマのこの小説、
生きることの価値観がゆらぎます。

いじめられていじめられてでも何も出来ない。
苦しくても抜けられない。

でもなんでいじめられているの?

どうしていじめるの?

なぜ自分は戦わないのか?

なぜなら...

みんなそれぞれ理由がある。

でもそれってそう思っているだけ。

相手のことなんて結局なにもわかっていない。

自分のことだってホントはわかっていない。

でもわかっているつもりにして納得する。

大きな大きな苦しい苦しい悩みにはそれなりの理由がある..
はず...

人間はつくづく精神的な動物だと思います。
物理的現実なんてあったってないに等しい。
心が歩いて世界を作っているのです。

大きな物語がない現代、ひとは世界をこころのなかに閉じ込める。

そんな心に拘泥するのです。

読んでいてどうしようもない不条理を感じる。
でもなんか薄いぼやけた明かりも遠くにみえる。

考え出したらとまらない。

そんな小説でした。

以上









談合小説 日本は変わるか?

鉄の骨鉄の骨
(2009/10/08)
池井戸 潤

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談合小説。
政官財の三角形。

でもシリアスな社会派タッチではありません。
爽やかでピュアな4年目社員を主人公にすえて
ドロドロガチガチ社会を軽快に描く。
うまい!

さすが直木賞候補作。

私は鉄鋼業界にいますのでこんな世界をごく身近に見ておりますので
非常に興味をもって購入したのですが
果たしてゼネコン談合を扱った小説にどれほどの読者がつくのか
要らぬ心配をしてしまいます。

談合問題はむずかしい。

悪なのか?
必要悪なのか?
あるいは社会保障システムなのか?

擁護派はいいます。
安値入札で劣悪業者がはびこり安全がたもたれない。
競争を激化させ中小業者が路頭に迷う。

倫理的にはどうであれ法律違反なんですからいけません。
ただこのニッポンここからがややこしい。

法律では禁じられているのに皆が犯してることがたくさん。
しかもみんなが知っている。
談合、カルテル、政治家の金...。

でもある日突然糾弾される。
マスコミではとんでもない悪党扱いされてつるし上げられる。
みんな最初から知ってるのに。

そして誰かがスケープゴートになり
ちょっとたってほとぼりが冷めるとまたなんとなくはじまる。

これが戦後日本の安定社会では繰り返されてきた。
必要悪だなんていいわけのもとで。

でもこれも変わるんでしょうね。
ネットで世界がフラットになって日本の論理がつうじなくなる。

しかも政権が交代しました。
旧政権とどっぷりやってた建設業界は予算がつかずにボロボロ。
談合やるだけの案件もありません。

これは構造改革なのか?
時代の潮流なのか?

はたまた民主党に資金が還流するシステムができれば
再度同じことが繰り返されるのか?

要注目です。

談合ってのもやって利益が得られなければ機能しませんから
建設内需に閉塞感がある将来、きえゆく運命でしょう。

ただ別の業界でまたはじまるでしょう。
そうして変革後の社会の膠着がまた始まり活力が落ちてゆく。

この繰り返し。
長い歴史を大きな変革なしにやってきた日本の宿痾ですかねえ。

以上













日米対決 究極の愛のかたち 

花ざかりの森・憂国―自選短編集 (新潮文庫)花ざかりの森・憂国―自選短編集 (新潮文庫)
(1968/09)
三島 由紀夫

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「皇軍相撃の事態必死となりたる情勢に痛憤して、....
軍刀を以って割腹自殺を遂げ、麗子夫人も亦夫君に殉じて自刃を遂げたり。」

こちらは日本代表。
三島由紀夫の「憂国」より。

2・26事件に際し、決起した友人らを撃つべき立場となった近衛歩兵は
懊悩を重ねた上で、新婚の妻とともに死を決意。
最後の交わりの後、割腹自殺。
美しすぎる日本男児。
享年30歳、妻23歳。


さてアメリカ代表はこちら。
草原からの使者―沙高樓綺譚 (徳間文庫)草原からの使者―沙高樓綺譚 (徳間文庫)
(2009/01/06)
浅田 次郎

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より 「星条旗よ永遠なれ」

アメリカの退役軍人のお話。

軍人が現役を退いても軍人であり続けるように
男は命ある限り「男」であり続けたい。

とビーチ沿いの星条旗カフェに集まり、軍人時代の武勇伝や
現在の夜の健在ぶりを語り合う。

若い頃から大砲を撃ち続けているとだんだん弾が減ってきて
最後の一発の時にはザーメンの代わりに星条旗がポンッと飛び出すんですって。

ある日、若い恋人を持つルイスがなくなった。

「朝の光の中に横たわったルイスの遺体は...戦場に斃れた兵士のようでした。
鍛え上げられた肉体は生けるがままで、少しも死を受け容れている様子がなく
自慢のコックもいまだに天に向いて聳りたっていたのです。

そしてそのコックの先端に、
掌ほどの星条旗が勇ましく翻っていた。」

最後まで男であり続けたのです。
享年69歳。
恋人42歳。(次の男を捜しにゴーン!)

あまりにくだらないのですが
男の寂しさがしみる小説でした。
浅田次郎おそるべし。

以上




白人にとってのオバマ

差別と日本人 (角川oneテーマ21 A 100)差別と日本人 (角川oneテーマ21 A 100)
(2009/06/10)
辛 淑玉野中 広務

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お客さんに頂きました。

「オバマに対する見方が面白かったよ」と

辛 淑玉さんのお話にこうあります。

オバマはハワイやインドネシアで育ったから
アメリカ黒人の歴史的な傷つき方をほとんどしていない。
ダブル(ハーフ)だということもあって白人が投票しやすい。
もっというなら
仕返しされる心配をしなくていい。


こういう考えは浮かびませんでした。
逆にいうと一般的な黒人が大統領になろうとするときは
仕返しを恐れて投票しないということなんですよね。

大統領はともかく
そういう関係の民族グループが隣り合って、交じり合って社会を形成している。
緊張感があります。

ただアメリカの場合、わかりやすくてよい。
黒人だってヒスパニックだってアジア人だってみればわかる。

日本はわかりにくいから陰湿でいやらしい。
見ただけでは全くわからない。

でも辛 淑玉が帰化して首相になったら
やっぱり仕返ししてやろうとか思うわけですよね。
それほどまでの差別が現存しているのでしょう。

これも辛 淑玉の話ですが
戦後まもないころ、ガード下で傷痍軍人が物乞いしてたといいます。
国からお金を支給されていながらとんでもない奴だと侮蔑していたといいます。

でもそこには別の真実が。
朝鮮人軍人は国籍条項から除外され福祉を受けていなかったと。

国籍や民族が都合よく使われるわけなんです。
どこかで線をひく。
でもこれは生まれてきたものには出自は選べないわけです。

以上






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